昨日広島高等裁判所が、一部の選挙区の選挙を無効とする判決を言い渡しましたというニュースを見ました。
1票の格差の問題は、大変重要な問題だと認識しているし、早急に改善するべきだと思っているんですが、私のような田舎暮らしの人間には、1票の格差より地方の選択肢の無さの方が遥かに大問題です。
1票の格差
都市部に住む有権者にとって、1票の格差問題が大変重要な問題だという事は承知している。都市部と地方では1票の重みが全然違うのだから、都市部の人間が不公平感を募らせるのは当然だと思うんです。
それが違法かどうかは裁判所が判断する事で、裁判所では既に違法だと判断されているんだから早急に改善するべきだったんですが、改善する前に総選挙を行っちゃったから今回の問題に繋がっているんです。
これは現政府の責任では無く、間違いなく前政権(野田内閣)の失政です。裁判所が違法だと判断した選挙を、なんの改善もせずに総選挙を行っちゃったんだから、野田前首相は犯罪者と言っても過言ではないでしょう。
早期解散を煽った野党に責任が無いかといえば、私は煽った責任はあると考えていますが、この問題に関する全責任は野田前首相が負うべきです。解散の選択権は首相にしか認められておらず、その権利を行使した以上、その全責任は野田前首相が負うべきなんです。
1票の格差を是正せずに解散した野田首相の責任は重い訳ですが、政権が変わってしまった現在、野田前首相には何の権限も無く、改善したくても改善出来なくなってしまいました。
今後は安倍新政府が責任を持って1票の格差是正を行って欲しいものです。政権与党になったのだから当然の責任だと思います。
地方の国政選挙は選択肢が無い問題
1票の格差是正は現政権が責任を持ってやり遂げてくれる事を期待しつつ、私は新たな問題を提起したいです。
私のような田舎者には、1票の格差より重要かつ切実な問題。地方の国政選挙には選択肢が無いという問題です。
都市部には多数の候補者が立候補しますが、地方の選挙では立候補者が少ないんです。
我が佐賀県の場合、2012年の総選挙で佐賀第一区の候補者は民主党の原口氏・自民党公認の岩田氏・共産党公認の大森氏の3人です。
まあ~民主党と自民党と共産党ですから、最低限度の選択肢はあります。
佐賀二区も自民党・民主党・共産党の三人が候補者です。
問題は私が住んでる佐賀三区!!自民党公認の保利氏と共産党公認の山口氏の一騎打ち。共産党の人には悪いが、最低限度の選択肢が用意されているとは思えない。
さらに問題なのは、2012総選挙では自民党公認候補が圧勝し、全選挙区で自民党の公認候補が当選しました。しかし、小選挙区で惨敗した民主党の公認候補2名も比例代表で復活当選です。
結局、落選したのは共産党の公認候補だけという結果でした。
佐賀県から5人もの国会議員が誕生した事を嬉しく感じる反面、結局佐賀の有権者には選択肢が残されてないんじゃないか?という気持ちになります。
だって、共産党以外の候補者は全部当選しちゃうんだもん!選挙なんか必要ないんじゃないか?と思うんですよね。
負ける選挙でも必ず候補者を立てる共産党には本当に頭が下がる思いです。共産党の候補者がいなきゃ、佐賀三区なんて無投票選挙だった筈です。無投票を回避できたのは共産党公認候補のファインプレーなんですよね。なかなか評価されないけど、私は個人的に共産党の候補者を高く評価しています。(共産党候補に投票する事はないんですが・・・本当に高く評価してるんですよね。)
他にも宮崎3区・鹿児島5区・高知2区と3区は、自民党候補VS共産党候補の一騎打ちで自民党候補の圧勝なんですよね。佐賀三区と全く同じ選挙です。保守的な土地柄も影響してるんだろうけど、選択肢が少ないというより「無い」と言った方が正しい気がします。
1票の格差是正も重要ですが、並行して選択肢の無い選挙の改善もお願いしたいんですよね。