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2009年11月4日水曜日

定額給付金は効果があったのか

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定額給付金を考える

気になる記事を見つけたので紹介します。

nikkei BP net:定額給付金 効果はあったのか? なかったのか?
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20091029/192387/?P=1

小宮一慶氏のコラムですが、非常に興味深い内容です。

特に総務省と厚労省が発表しているデータを比較する限り、定額給付金の効果は明らかですね。

厚労省の日本の現金給与支給総額は、2009年5月が対前年同月比マイナス2.5%、6月が対前年同月比マイナス7.0%だったにも関わらず、日本の消費支出は5月が対前年同月比プラス0.3%、6月が対前年同月比プラス0.2%でプラスに転じています。

消費支出は、1月が対前年同月比マイナス5.9%、2月が対前年同月比マイナス3.5%、3月が対前年同月比マイナス0.4%、4月が対前年同月比マイナス1.3%と深刻な状況だったのに、5・6月はプラスに転じているんですよね。


その他の要素

結果から判断すると、定額給付金は間違いなく効果があったのではないかと思います。

ただし、5月15日からエコポイントが始まりましたからエコポイントの効果だという人もいるかも知れません。

私は、経済政策は何か一つの対策が奏功して結果に現れるものとは考えていません。様々な要素が複雑に絡み合い、相乗効果となって結果に現れるものだと考えています。

よって、定額給付金+エコポイントという最低でも二つの要素が絡み合い奏功し、消費支出の増加に繋がったのだと考えています。

よって、小宮氏の考えは正しいと思います。


定額給付金に学ぶ

定額給付金の効果を見れば、一時的に給付金という形で国民に還元するという手法は今後も使えそうですね。

ただし、私の経験則では、慢性的に還元すると、還元される事が当たり前だと感じ始め、有り難みも薄れますし、必ず支給されるから支給を計算して消費するので効果は徐々に薄れていくでしょう。

定額給付金の支給が遅れたのは、結果として良かったのではないかと思います。

まだかまだかと待ちわびて、一部の自治体が3月に給付したのに、大半の自治体は4月以降の給付だった。

国民は心待ちにしていた定額給付金が支給されたから、短期間に消費にまわったんですよね。

結果的には給付が送れたために、受給者がスピーディーに受給申請したと思われます。


今後はどうする

毎年決まった月に給付されるような性質のものだったら、今回のような効果が期待できるのは数年間でしょうし「効果がなくなったから止めます。」という事になれば、国民の多くはアテが外れて深刻な生活不安に襲われるでしょう。

恒久的に給付するならベーシックインカムのようなものですが、このベーシックインカムも考え方としてはいいと思いますが、財源が枯渇しないという前提が無いと後で困る事になります。

将来的にも大丈夫だという確信が無いと実行するのは危険だと思います。

個人的にはベーシックインカムという手法を活用するべき時が来るとは思います。

その時までに、ベーシックインカムを支える税収の目処を立てないといけないんでしょうね。

2009年8月3日月曜日

ベーシック・インカムを考える

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ベーシック・インカムのメリット

前回のエントリで、「我が国にはベーシック・インカムは適さないだろう。」という内容の記事を書きましたが、今回は肯定的な見方をしてみたいと思います。

前回の記事⇒ベーシックインカムについて

我が国でベーシック・インカムが導入されたら

ベーシック・インカムが導入されたら、我が国のワーカホリックが働く事を奪われる事は間違いない。私は日本人なので我が国の事を優先して考えたのだが、もっとグローバルな視点から考えると、ベーシック・インカムのメリットが見出せるのではないか。と考えた。

外国人ワーカー

日本人が働けないから、必要な人的労力は外国人が考えられる。国家の中枢機関や法人の経営陣は、一部の日本人が行う。

専門職や技術職、決定機関は日本人がやらなきゃならないと思う。当然の事だ。

そして、外国人の労働者は、世界中の貧困に苦しむ地域から集める。

職種は、農業がいいだろう。

外国人労働者は、日本で農業を行いながら、日本の農業技術を吸収し、10年後には祖国に帰り、日本の農業技術を用いて、祖国に農業を普及させる。

テロや紛争の原因が貧困にあるのなら、我が国で農業を学んだ人材が、祖国で農業を普及させれば間違いなく貧困は是正される。

貧困が是正されれば、テロや紛争は無くなる。

もちろん外国人ワーカーの賃金は支払われるが、ベーシック・インカム導入後は、所得税率が高騰しているだろうから、外国人ワーカーは、所得税率40%程度の重税を背負わされる。

所得税率を上げる事で、ベーシック・インカムの財源不足を補う事になるので、搾取のような印象を受けるが、日本人の仕事を奪っておいて、学びながら賃金を得る事に不満をもつ外国人労働者はいないだろう。

所得税率が高いのは、職業確保の為の税金だと考えるべきだ。

それに、外国人ワーカーに日本の基準で賃金を支払うなら、彼らは数年後帰国するときは、富豪になって帰国する事になる。文句は無いと思う。

なぜ、外国人労働者を富豪にして帰国させるのか

「なぜ、外国人労働者を富豪にして帰国させるのか。」という疑問もあるだろうが、答えは簡単である。彼らの資本が彼らの祖国で農業を普及する為の資金になるからだ。彼らが祖国の貧困を是正する救世主になるのだから、格差が生じる事には目を瞑りたいと思う。

帰国した外国人ワーカーは、祖国に帰り農業事業の事業主になって、出来るだけ多くの雇用を受け持ち、出来るだけ生産性を向上させるように努める。

貧困に苦しむ地域で、農業が普及・発展する事で地域全体が豊かになる。

そして世界は平和になる。

夢のような社会だが・・・

本当に夢のようなシナリオだが、我々日本人には一人当たり月額5万円が支給されるだけである。

一部のエリートやマイスター達は、仕事が出来るが所得税が高いので、不満も出るだろうが・・・仕事が無いより幸せだろう。

庶民の場合は、月額5万の生活費で清貧の暮らしをしなければならないうえに、仕事は無いのである。

我々庶民は、どんな暮らしになるか?

月額5万の生活費なので贅沢は出来ない。ただ、小さな田畑を所有し、自宅の食料くらいは自給するようにするべきだ。

海が近ければ、漁業もいいと思う。

流通させると、高額の所得税が課せられるので、物々交換など地域内での流通になるだろう。家庭内手工業レベルの労働だが、ワーカホリックを仕事がないという苦痛から救うことは出来そうだ。

ベーシック・インカムの壁

ベーシック・インカムのメリットを考えてみたが、グローバルな視点で考えれば、メリットは無い訳じゃ無いし、世界平和の実現に大きく寄与する事が出来そうだが・・・

最大の壁は、日本の庶民は清貧に甘んじなければならない。

許された仕事は、自家製野菜の栽培と、僅かな漁業だけである。

それが嫌なら勉強してエリートになって国家の中枢を担うか、経営のエキスパートになるか、技術を伝えるマイスターになるか。どれを選択しても狭き門である。

我が国の大衆が、清貧に甘んじて、職業を外国人労働者に譲る覚悟があるのなら、ベーシック・インカムは検討の余地があるシステムだと思う。

ベーシック・インカムの壁は、その一点に尽きるような気がする。

2009年8月2日日曜日

ベーシックインカムについて

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ベーシックインカムが話題になる

以前、ホリエモンのブログで「ベーシックインカム」の話題が取り上げられた。

その後、様々なブログで「ベーシックインカム」の話題が取り上げられていますが、ベーシックインカムの問題点として、挙げられている項目といえば「財源」なんですよね。

ベーシックインカムの財源

「国民全員が働かなくても生活出来る制度は歓迎だけど、働かないなら財源はどうする?」という疑問は当然誰もが考える。

そこで、ベーシックインカムの財源について考えてみた。

まず、年金や失業保険は必要なくなります。どちらも個人が支払っている以上に国が負担しているのが現状ですから、大きな財源になるでしょう。

年金に関しては、10兆円ほど一般会計の歳出に上げられています。
参照:財務省 平成21年度一般会計歳出歳入の内訳(予算)
この10兆円はそっくりベーシックインカムの財源にするでしょう。

また、生活保護にかかる歳出は約3兆円規模で、今後も増加する傾向です。
生活保護のうち、医療や介護など削減できない物もあるので、丸々3兆円が浮くことは無いが、1兆円ほどは捻出出来るはずである。

国の雇用対策費用は1兆6千億が必要なくなると考えられます。

一番大きな財源は、年金や生活保護などに必要な人件費です。窓口業務から審査など、大幅な人員削減が可能であり、人件費は大幅に削減出来るでしょう。

他にも、ベーシックインカムの導入で削減できる国庫負担金は沢山在ると思いますよ。

ベーシックインカムの費用

ベーシックインカムを導入した場合、必要な費用は・・・
一人に対して月額5万円としましょう。
夫婦と子ども二人の4人家族だったら、月額20万円になり充分生活出来る金額になると思います。

月に5万だと仮定すれば、一年で60万円の支給額になります。
60万円 × 1億3千万人 = 78兆円

計算してみると、まだまだ財源が不足している感じがしますね。
しかし、キチンと計算してみると、実現可能な数字のような印象も受けます。

78兆円が必要で、年金や失業保険、生活保護を一元化することで13兆円である事から、一元化に伴う人件費の削減額も、馬鹿に出来ない金額になるであろう事は容易に想像出来る。

雇用対策費は、全く必要なくなるし、ハローワークなどの人件費も必要なくなる。

ベーシックインカムを導入すれば、78兆円くらいは充分に捻出出来ると考えられます。

本来、こんな馬鹿な計算が成り立つわけが無いのだが、国家公務員の高給、恩給に支払われている金額が常識外れの高額である為に、結果的に成り立ってしまったと考えるべきである。

もしかしたら・・・経費削減額の総額は、78兆円を上回る可能性すら感じている。

説得力の無い説明ですが、私自身は重要視していないので、簡単に算出しました。あくまでも仮定と言うレベルで考えてください。

ベーシックインカムは日本には向かない

ベーシックインカムを導入しても、財源は充分だと考えられるが、実際に導入されたらどうなるだろう。

ワーカホリックと称される我が国の国民が、仕事を辞めるだろうか。

ベーシックインカムの最大の壁は、財源ではない。

ワーカホリックから仕事が取り上げられるだろうかと言う事だ。

我が国の国民の多くは、「生活の為に働いている。」と考えているが、実際には働く事に依存している。仕事に打ち込む事で、各種の不安を忘れようとしているのです。だから、仕事を辞めた、または暇になった事で、耐え難い不安を感じるという現象が起こる。

我が国の中小企業の経営者が、採算性の無い事業に執着し、返済不可能な借金を繰り返すのは、完全に仕事に依存しているからだと考えられる。

採算性の無い事業に、必要以上に資金を投入するのは、客観的に見ると非常に非効率的な考え方なのだが、仕事に依存して客観的な視点を失ってしまうのであろう。

これは、経験者にしか理解出来ないと思うが、実際にそういう人ばかりである。

だから、定年退職した人が親戚などに「金は要らんから働かせてくれ。」という変な現象も起こる。

私の経験

以前、赤字企業の経営者をしていたときの事だが、定年退職した親戚から、「金は要らないから、仕事をさせてくれないか。」と相談された事がある。

当時は、まったく理解出来ない相談であったが、今なら充分理解出来る。

ワーカホリックにとって仕事をしないという事は、耐え難い苦痛なのである。

事業を縮小して気がついた事の一つだが、仕事をしない事は、耐え難い苦痛と不安を同時に感じるものだ。

ベーシックインカムについて、私が出した結論

仕事をしてはいけないという訳ではないので、べーシックインカム導入後でも働いていいと思う。しかし、需要は無くなるだろう。

生活に支障は無いが、誰でも働けるという社会にはならない。

ベーシックインカムの導入前に、ワーカホリックの治療の方が必要だと考える。

よってベーシックインカムには反対しないが、先にワーカホリックの治療をしないと、仕事が出来ない不安と苦痛から自殺者を増やしてしまう結果も考えられる。

人が仕事から得ているものは、賃金だけではない。職場の人間関係や情報、社会との接点、生きがい、安心など多岐にわたる。

よって、ベーシックインカムが受け入れられ、雇用が減ることは望ましくないという結論に達した。

他には、こんなご意見もあるようです。
ベーシックインカムについて