2009年8月3日月曜日

ベーシック・インカムを考える

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ベーシック・インカムのメリット

前回のエントリで、「我が国にはベーシック・インカムは適さないだろう。」という内容の記事を書きましたが、今回は肯定的な見方をしてみたいと思います。

前回の記事⇒ベーシックインカムについて

我が国でベーシック・インカムが導入されたら

ベーシック・インカムが導入されたら、我が国のワーカホリックが働く事を奪われる事は間違いない。私は日本人なので我が国の事を優先して考えたのだが、もっとグローバルな視点から考えると、ベーシック・インカムのメリットが見出せるのではないか。と考えた。

外国人ワーカー

日本人が働けないから、必要な人的労力は外国人が考えられる。国家の中枢機関や法人の経営陣は、一部の日本人が行う。

専門職や技術職、決定機関は日本人がやらなきゃならないと思う。当然の事だ。

そして、外国人の労働者は、世界中の貧困に苦しむ地域から集める。

職種は、農業がいいだろう。

外国人労働者は、日本で農業を行いながら、日本の農業技術を吸収し、10年後には祖国に帰り、日本の農業技術を用いて、祖国に農業を普及させる。

テロや紛争の原因が貧困にあるのなら、我が国で農業を学んだ人材が、祖国で農業を普及させれば間違いなく貧困は是正される。

貧困が是正されれば、テロや紛争は無くなる。

もちろん外国人ワーカーの賃金は支払われるが、ベーシック・インカム導入後は、所得税率が高騰しているだろうから、外国人ワーカーは、所得税率40%程度の重税を背負わされる。

所得税率を上げる事で、ベーシック・インカムの財源不足を補う事になるので、搾取のような印象を受けるが、日本人の仕事を奪っておいて、学びながら賃金を得る事に不満をもつ外国人労働者はいないだろう。

所得税率が高いのは、職業確保の為の税金だと考えるべきだ。

それに、外国人ワーカーに日本の基準で賃金を支払うなら、彼らは数年後帰国するときは、富豪になって帰国する事になる。文句は無いと思う。

なぜ、外国人労働者を富豪にして帰国させるのか

「なぜ、外国人労働者を富豪にして帰国させるのか。」という疑問もあるだろうが、答えは簡単である。彼らの資本が彼らの祖国で農業を普及する為の資金になるからだ。彼らが祖国の貧困を是正する救世主になるのだから、格差が生じる事には目を瞑りたいと思う。

帰国した外国人ワーカーは、祖国に帰り農業事業の事業主になって、出来るだけ多くの雇用を受け持ち、出来るだけ生産性を向上させるように努める。

貧困に苦しむ地域で、農業が普及・発展する事で地域全体が豊かになる。

そして世界は平和になる。

夢のような社会だが・・・

本当に夢のようなシナリオだが、我々日本人には一人当たり月額5万円が支給されるだけである。

一部のエリートやマイスター達は、仕事が出来るが所得税が高いので、不満も出るだろうが・・・仕事が無いより幸せだろう。

庶民の場合は、月額5万の生活費で清貧の暮らしをしなければならないうえに、仕事は無いのである。

我々庶民は、どんな暮らしになるか?

月額5万の生活費なので贅沢は出来ない。ただ、小さな田畑を所有し、自宅の食料くらいは自給するようにするべきだ。

海が近ければ、漁業もいいと思う。

流通させると、高額の所得税が課せられるので、物々交換など地域内での流通になるだろう。家庭内手工業レベルの労働だが、ワーカホリックを仕事がないという苦痛から救うことは出来そうだ。

ベーシック・インカムの壁

ベーシック・インカムのメリットを考えてみたが、グローバルな視点で考えれば、メリットは無い訳じゃ無いし、世界平和の実現に大きく寄与する事が出来そうだが・・・

最大の壁は、日本の庶民は清貧に甘んじなければならない。

許された仕事は、自家製野菜の栽培と、僅かな漁業だけである。

それが嫌なら勉強してエリートになって国家の中枢を担うか、経営のエキスパートになるか、技術を伝えるマイスターになるか。どれを選択しても狭き門である。

我が国の大衆が、清貧に甘んじて、職業を外国人労働者に譲る覚悟があるのなら、ベーシック・インカムは検討の余地があるシステムだと思う。

ベーシック・インカムの壁は、その一点に尽きるような気がする。

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