定額給付金を考える
気になる記事を見つけたので紹介します。
nikkei BP net:定額給付金 効果はあったのか? なかったのか?
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20091029/192387/?P=1
小宮一慶氏のコラムですが、非常に興味深い内容です。
特に総務省と厚労省が発表しているデータを比較する限り、定額給付金の効果は明らかですね。
厚労省の日本の現金給与支給総額は、2009年5月が対前年同月比マイナス2.5%、6月が対前年同月比マイナス7.0%だったにも関わらず、日本の消費支出は5月が対前年同月比プラス0.3%、6月が対前年同月比プラス0.2%でプラスに転じています。
消費支出は、1月が対前年同月比マイナス5.9%、2月が対前年同月比マイナス3.5%、3月が対前年同月比マイナス0.4%、4月が対前年同月比マイナス1.3%と深刻な状況だったのに、5・6月はプラスに転じているんですよね。
その他の要素
結果から判断すると、定額給付金は間違いなく効果があったのではないかと思います。
ただし、5月15日からエコポイントが始まりましたからエコポイントの効果だという人もいるかも知れません。
私は、経済政策は何か一つの対策が奏功して結果に現れるものとは考えていません。様々な要素が複雑に絡み合い、相乗効果となって結果に現れるものだと考えています。
よって、定額給付金+エコポイントという最低でも二つの要素が絡み合い奏功し、消費支出の増加に繋がったのだと考えています。
よって、小宮氏の考えは正しいと思います。
定額給付金に学ぶ
定額給付金の効果を見れば、一時的に給付金という形で国民に還元するという手法は今後も使えそうですね。
ただし、私の経験則では、慢性的に還元すると、還元される事が当たり前だと感じ始め、有り難みも薄れますし、必ず支給されるから支給を計算して消費するので効果は徐々に薄れていくでしょう。
定額給付金の支給が遅れたのは、結果として良かったのではないかと思います。
まだかまだかと待ちわびて、一部の自治体が3月に給付したのに、大半の自治体は4月以降の給付だった。
国民は心待ちにしていた定額給付金が支給されたから、短期間に消費にまわったんですよね。
結果的には給付が送れたために、受給者がスピーディーに受給申請したと思われます。
今後はどうする
毎年決まった月に給付されるような性質のものだったら、今回のような効果が期待できるのは数年間でしょうし「効果がなくなったから止めます。」という事になれば、国民の多くはアテが外れて深刻な生活不安に襲われるでしょう。
恒久的に給付するならベーシックインカムのようなものですが、このベーシックインカムも考え方としてはいいと思いますが、財源が枯渇しないという前提が無いと後で困る事になります。
将来的にも大丈夫だという確信が無いと実行するのは危険だと思います。
個人的にはベーシックインカムという手法を活用するべき時が来るとは思います。
その時までに、ベーシックインカムを支える税収の目処を立てないといけないんでしょうね。
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