福島原発事故以来、原子力発電所の停止を求める運動が活気を帯びています。
ご存知の通り、我が国は唯一の核兵器被爆国です。国民の中に強い核アレルギーがあるのですから、事ある毎に「反原発運動」が高まる事は当然といえます。
ところが、原発に反対する人たちは、原発の危険性を指摘して原発停止を求めるだけで、有効な代替案を提示する事がありません。
そういう反対派の体質が透けて見えているので、多くの国民は「原発反対って感情的に騒いでるだけで、代替案も出せないんだから、一種のヒステリーだよね」って感じてしまうんですよね。
なかには風力発電や地熱発電などを代替案に提示する人も散見されますが、原発の危険性は指摘するくせに、風力・地熱・水力・火力発電の危険性には全く触れません。
火力発電は、化石燃料を燃やすので大量のCo2を排出するし、水力にはダム建設が必要。地熱は火山大国日本にとって重要なエネルギーですが、噴火や地震の自然災害が多発する可能性が高く、噴火の度に設備の補修が必要になり、コストパフォーマンスが悪いばかりか、建設自体にリスクが伴います。
風力はクリーンな自然エネルギーだといわれていますが、バードストライク(鳥が激突する事故)や強風による破損が避けられないし、そもそも近隣住民にとっては、低周波による健康被害が深刻な問題です。
原子力発電が危険な発電方法だという事は誰もが知っている事実ですが、基本的には事故が発生したときのみ被害が出ます。
常時健康被害を撒き散らす風力発電よりも原発の方が安全と考える人も多いでしょう。
発電とリスクを考えれば、安全な発電方法など存在しないのです。
巨大なエネルギーを得る為には、更に巨大なエネルギーを必要とします。
発電に使用するエネルギーを100とすれば、得られる電力エネルギーは50~80くらいだと考えられます。
ただし電力に変えることで、エネルギーの伝達効率は高くなるので、電気は非常に伝達効率の良いエネルギーです。電気も送電距離に応じてロスが発生しますが、最大5%前後なので他のエネルギーよりはるかに効率が良い。
巨大なエネルギーには巨大なリスクが付き纏うもので、その事は避けられません。
風力発電は、常時健康被害を垂れ流しますが、原発は事故発生時のみですが巨大な被害をもたらします。
その中で取捨選択するのですが、日本の場合は決めきれずに?ベストミックスという方法を採用しています。
一部で風力発電を採用し、常時健康被害を垂れ流しながら、一部で原子力発電という巨大な被害の元を稼動しています。
また、一部で水力発電の為のダムを建設しながら、火力発電で大量のCo2を排出しています。
ただし、そのおかげで各発電の依存率は低下し、リスクも分散されています。
我が国の電力供給戦略は非常に複雑なので、単純に「原発は危険だから廃止!停止!!」と声高に叫んでいる人がヒステリックに映るのも当然といえば当然なんですよね。
巨大なエネルギーを必要とするのなら、それに伴うリスクは付き纏うのです。
現時点では実用化が難しい方法
なぜ太陽光発電のリスクを挙げなかったのか、疑問に感じている人も多いでしょう。
太陽光発電にもリスクはツキモノです。
しかも、現時点ではコスト的に実用化は難しい。
自宅の屋根に太陽光発電のパネルを設置している人もいるし、自治体によっては補助金も出ています。
実は私も一度検討した事があります。
余剰電力を売電する事まで視野に入れると、15年くらいで元が取れる計算でした。
しかも自治体からの補助金を計算すると、10年以下で元がとれる可能性もありました。
太陽光発電を薦めた業者に耐用年数を聞いたら20~30年ということでした。思わず契約書にサインをしようと思ったのですが、大事な事を聞き忘れていたので再度質問しました。
「パネルの劣化による発電量の低下は?」と聞いたところ、「10年で0.5%くらいです」という返事が返ってきました。
アホか!10年で0.5%なんてありえない。少なくとも5%~10%くらいは低下するはずですし、メンテナンスや掃除を頻繁に行わなければ更に効率は悪くなるはずです。
その事を指摘した途端に、業者のセールストークはトーンダウン。
信用出来ないので、太陽光発電は断念した事があります。
太陽光発電は費用対効果が悪い発電方法だといえます。少なくとも現時点では!
しかし、今後研究開発が進めば、いずれ日本の電力需要を支える太陽光発電が登場するでしょう。
100年とか200年のスパンで、太陽光発電の実用化を目指すべきだと思います。
もちろん、太陽光発電にもリスクはありますし、台風などで破損する可能性もあります。
太陽なんて超巨大な核エネルギーなんですから、原発ごとき話にならないようなリスクがあるのです。
しかし、太陽の事故は地球の消滅を意味しています。太陽と地球の大きさと位置関係を考えれば、太陽のホンのちょっとの変化が地球の消滅に結びつく事は誰にでも容易に想像出来ます。
太陽の事故イコール人類消滅なんですし、太陽の変化を人類が制御出来る訳がありません。
太陽は現在の人類が考えうる最大のリスクを伴う最大のエネルギー源です。当然人類が消滅した後も最大級のエネルギー源なのです。
究極のエネルギー源を効率よく利用するのが望ましいですし、人類が生存している間に枯渇する事もありません。
現時点では無理だとしても、100年200年あるいは1000年スパンで太陽光発電を研究開発する必要があるのです。
その頃には、エネルギーの伝達が電気から他の何かに変わっている可能性はあります。それでもエネルギーは必要です。そしてエネルギーにはリスクがツキモノ。
人類が手に入れる事が出来る最大のエネルギーは太陽なので、太陽エネルギーの研究は人類が死滅するまで続けるべきだと考えています。