米国と北朝鮮が緊張状態になっていますね。
これが米国VS北朝鮮の軍事衝突になった場合、我が国がとるべき選択ってどうなんでしょう。
集団的自衛権の拡大解釈条件には直接当て嵌まるとは思えないけど、将来的に米国と同盟関係にある我が国が脅威に晒される可能性と言うのは否定出来ません。
そう考えると集団的自衛権の拡大解釈条件に一致していないとは言い切れない。
集団的自衛権の拡大解釈条件についても世論が分かれるでしょう。
そこでなんでこうなったかを自分なりにまとめてみようと思います。
発端は映画
今回の発端は、米国の映画配給会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメントが、北朝鮮の金正恩第1書記の暗殺計画を題材にしたコメディー映画を製作し配給した事が発端です。
米国人の気質から「コメディーやん。面白いんだからいいやん。」みたいなノリだったと考えられます。
ところが北朝鮮側の立場だったら「なんやコラ!喧嘩売っとんか!」という印象を持った事は容易に推測出来ます。
サイバー攻撃
そしてソニー・ピクチャーズエンタテインメントがサイバー攻撃を受けるという事態に発展。
米国側では「北朝鮮の仕業だ。」という事になっています。
北朝鮮は関与を否定していますが、国営放送を通じて米国と同映画を上映する他の国に対して「無慈悲な報復」を予告している。
こういう情報が伝えられている以上、米国が北朝鮮を疑うのは必至ですよね。
上映中止
北朝鮮の報復予告を受けて、米国内の映画館が上映中止を決定しました。
そしてオバマ大統領が激怒するという事態に発展してしまいました。
私の解釈
まず最初に挑発行為を行ったのはソニー・ピクチャーズエンタテインメントですよね。これは誰の目にも明らかです。
しかし挑発だったとしてもサイバー攻撃という直接的な報復行為に及んだのは北朝鮮です。
オバマ大統領まで登場して北朝鮮を非難。
現在に至る。という感じです。
流れを推測してみる
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント「金正恩第1書記の暗殺計画を題材にしたコメディー映画を上映したら面白いんじゃないか。」
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント「面白い映画が出来たからリリースするよ。なんと北朝鮮の金第一書記暗殺のコメディー映画だ。」
北朝鮮「なんだそりゃ!あまりにも北朝鮮を馬鹿にした挑発行為じゃないか!ホントに上映したら報復するぞ。この野郎!!」
北朝鮮「アイツ等ホントに上映しそうだからサイバーアタックで報復してやったぜ!ざま~みろ!!」
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント「サイバーアタックで情報漏えいしちゃったよ。」
米国の映画館「北朝鮮の奴等、本気で怒ってるな。被害が出たら嫌だから上映は見送ろう。」
オバマ大統領「なんじゃその弱腰は!この腰抜けどもが!!チクショウ北朝鮮の奴等、米国を舐めてやがるな!テロ支援国家に再指定するぞ!この野郎!!」
どう考えてもソニー・ピクチャーズエンタテインメントのワルノリが発端ですよね。「面白いんだからいいじゃん!そんなに怒るなよ。」なんて米国らしい行動ではありますが、やはりやりすぎというかワルノリし過ぎた印象は否めません。
この時点で北朝鮮が「コメディーだからと許される行為じゃない。挑発行為だ!」と抗議するだけに止めておけば、ワルノリし過ぎたソニー・ピクチャーズエンタテインメントが悪者で、北朝鮮は大人の対応だったと評価されたはずです。
しかし北朝鮮はサイバー攻撃という手段に出ました。
ソニー・ピクチャーズエンタテインメントに「おまえのかーちゃんデベソ!」と挑発されて、思わずソニー・ピクチャーズエンタテインメントを殴ってしまった北朝鮮という印象です。
ここでソニー・ピクチャーズエンタテインメントが「痛いなコラ!・・・しかし俺たちがワルノリし過ぎたのも事実だし、ココは穏便に済ませるか。」という態度であれば、挑発したソニー・ピクチャーズエンタテインメントが発端だけど、実力行使に及んだ北朝鮮の方が問題だよね。って印象だったんです。
ところが我が子が殴られた事に腹を立てたオバマ大統領が、我が子(ソニー・ピクチャーズエンタテインメント)のワルノリを嗜めるどころか北朝鮮に「よくもやってくれたなコラ!今度は俺が相手だ!かかって来い!この野郎!!」って感じで、子供の喧嘩に父親がしゃしゃり出てきてしまいました。
なんともまあ救いようのない展開です。
発端は些細な事ですが、徐々に大問題に発展して行き、最終的には武力衝突なんて事になりかねない事態になってしまいました。
こんな馬鹿馬鹿しい争いに巻き込まれる必要は無いと思うんですよね。
なんせ発端はソニー・ピクチャーズエンタテインメントのワルノリなんですから!
事の経緯を考えれば、とてもじゃないが集団的自衛権の行使条件を満たすとは思えない。しかしもし米朝戦争に発展すれば、我が国だって無傷で住む事はないでしょう。
米国か北朝鮮のどちらかが大人の対応をしていれば避けられた事態。
双方ともに頭を冷やして欲しいと思う。「負けるが勝ち」って言葉もあります。
今回の場合は、先に我慢して矛を収めたほうが負けのように見えますが、国際世論としては我慢して矛を収めた方を評価するでしょうね。どういう事情であれ、世界を巻き込みかねない戦争を支援する国はありませんから。
しかし「負けるが勝ち」という考え方が米国に存在するかどうかは疑問。
逆に北朝鮮は中国文化圏なので「三十六計逃げるに如かず」という考え方は存在すると思う。
米国が今までには無かった「負けるが勝ち」という考え方を受け入れて真の勝者になるのか、北朝鮮が古くからの考え方を思い起こして真の勝者になるのか、はたまたどちらも譲らず周辺国を巻き込む武力衝突に至るのか。
どうなるかは全く予想出来ません。はっきりしてるのは巻き込まれる周辺国が馬鹿を見るという事だけです。